#30 社会人として大切なことはすべて教習所で学んだ
釣りタイトルです、すいません。本当のタイトルは『怒ったりするのが有効だ、というメソドロジーは存在しない』あたりです。
5月に娘が生まれる予定で、「子育てに車は必須だよ!」と妻に説得され、33歳にして教習所に通っている。
実は18歳のときに一度、運転免許は取ろうとしていて、卒業検定にも合格し、免許センターでの学科試験に行ったところで面倒くさくなってやめてしまった過去がある。15年後に全く同じことを習い、全く同じ試験を受けているわけで、自分でも勿体なかったな・・と反省している。
今日は運転免許取得のために通っている教習所での学びを紹介したい。
スピードを落とす最大の原因は、怠惰よりも恐怖と不安
昔こんなツイートをしたことがあり、恐怖や不安があると仕事のスピードや質は落ちるよなーと思っている。
立場上、私は良くも悪くも怒られる機会がなく、恐怖や不安で仕事のスピードが落ちることは少ないのだが、教習所の技能実習で久しぶりに「思考のスピードが落ちる」体験をした。
教習所の教官にはいろいろな人がいて、運転ミスに関して寛容な人もいれば、不寛容な人もいる。指導やミスの指摘の言い方がマイドルな人もいれば、キツめな人もいる。
ある日の技能実習の際、指導やミスの指摘の言い方が若干キツめの教官に教わることになった。
前述の通り、私は18歳のときに卒業検定に合格し、最後の免許センターでの学科試験まで行っている程の人材なので、教習所内の運転ははっきり言って全く問題ない。
いつもはほぼ完璧に運転しているのだが、その教官との実習だけ、ミスを連発してしまったのだ。カーブのときにハンドルを切りすぎたり、反対車線から曲がってくる車に気づかなかったり、普段の自分ならありえないミスが続いた。
ミスをしながら気づいたのは、自分の頭の中がこうなっているな、、ということ。
優しい教官の時は運転に集中できて、スムーズに運転しているが、厳しい教官の時は「怒られないようにしよう!」という思考に脳内のリソースが使われてしまい、「運転がんばろう!」という意識が小さくなっていた。結果、普段はありえないミスが続いた。
怒ったりするのが有効だ、というメソドロジーは存在しない
年明けにJリーグが公式noteで『スポーツ現場におけるハラスメントとの決別宣言』と題して、サガン鳥栖の前監督に対しての懲罰決定を発表していた。
怒鳴る、蔑む、見下す、罵倒する。
小突く、叩く、はたく、ぶつ、殴る、蹴る、倒す。
「厳しい指導」(「ゆるい指導」もしかり)など、世界中どこを探しても、そんなコーチング学やコーチングメソドロジー(指導方法論)は存在しない。
にも関わらず、まるで「指導方法」の一種かのごとく語られるのを聞くたびに、違和感を越えて不信感を持たざるを得ない。
ましてや、こうした「パワハラ指導」は、傷害、暴行、名誉棄損、侮辱といった犯罪に過ぎず、指導方法でも何でもない。。
教習所での話は、パワハラではなく、言い方が若干キツめの方だったので私が勝手にビビって、ミスを連発した話だが、仕事において詰める、怒鳴る、見下す、馬鹿にする、プレッシャーをかけるなどなど、「厳しい指導」が行われることもある。
しかしながら、そうした「厳しい指導」がパフォーマンス向上につながった事例をほとんど見たことがない。「厳しい指導」をされた側はだいたいメンタルをやられて退職するか、萎縮して本来持っているパフォーマンスを出せなくなるケースが多い。
『獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす』ということわざがあるが、人間は獅子ではないので、谷から突き落とされると戻って来れないのだろう。
中日ドラゴンズの黄金期を作った落合監督に迫ったノンフィクション『嫌われた監督』の中にも、落合監督がドラゴンズをV字回復させる際、監督やコーチが選手に手をあげることを禁止した、という一説がある。
中日ドラゴンズというチームに対する私の印象は、監督やコーチが頻繁に叱咤し、時には鉄拳も辞さない厳しさで選手に接していたため、選手が首脳陣の顔色をうかがいならプレーしているというものだ。これでは、持てる力を発揮しろと言われても無理だろう。
オーナーに求められたのは、そうしたチームカラーを一掃し、選手たちがのびのびとプレーできる環境作りだと解釈した私は、どんな理由があってもコーチが選手に手を上げること(選手同士も)を厳禁とし、これを破った場合は理由の如何を問わず契約を解除するとした。
常勝チームを作るには、選手が不安なくプレーできる環境を整え、時には選手がベンチの指示で動くのではなく、自分の考えと判断でプレーすることが肝要だと考えていたので、無闇にコーチから教えることも禁じ、選手から求められた場合だけ的確なアドバイスをするように厳命した。
経験上も、観測上も、仕事において詰める、怒鳴る、見下す、馬鹿にする、プレッシャーをかけるなどをしても、言われた方のパフォーマンスは悪化し、言う方も(ストレス発散効果はあるのかもしれないが)魂が汚れてしまうため、費用対効果はマイナスの行為なのだろうなと感じる。
ギャラップ・オーガニゼーションの調査によると、部下にポジティブなフィードバックを与えることは、ネガティブなフィードバックを与えるよりもエンゲージメント向上に対して30倍効果が高いとのことで、30倍って結構な差である。ネガティブなフィードバックの効果の薄さたるや。
※出典:仕事に関する9つの嘘
宅配寿司「銀のさら」の社長さんが“怒らない経営”を掲げ、『怒らない経営』という書籍すら出版されているが、自分も「怒らない」ようにしようと思った教習所でのエピソードでした。
怒ると生産性が落ちるし、良いアイデアも浮かばない。そうか、僕は怒ってばかりいるから、うまくいかないのかって気づいたんです。怒らないことは実はものすごく合理的なんです
※宅配寿司業界で一人勝ち「銀のさら」、創業社長が明かす秘訣は“怒らない経営”
<採用PR>
当社では現在、営業・マーケティング領域を中心に一緒に働いてくれるコンサルタントを絶賛募集中です。少しでも興味がある方はお気軽にご連絡ください。
・採用情報はこちら:https://sairu.co.jp/recruit
才流を経営しながら考えたことや参考にした本の書評を毎週1本、更新していければと思っています。ぜひご登録ください。




